
はじめに
「あの時、もっと早く病院に連れて行っていれば」「あの治療を選んだのは、本当に正しかったのだろうか」。大切なあの子を見送ったあと、そんな「もしも」が、頭のなかをぐるぐると回り続けて、眠れない夜を過ごしている方は、きっと少なくないと思います。
今日は、その「もしも」の気持ちがどこから来るのかを一緒に見つめながら、少しずつ、自分を責める気持ちをゆるめていくお話をしたいと思います。
「あの時こうしていれば」が止まらない理由
ペットを亡くしたあと、多くの飼い主さんが、「あの時こうしていれば」という後悔を抱えます。それは、あなたの愛情が足りなかったからではなく、むしろ、その子を深く大切に想っていたからこそ生まれる気持ちです。
なんとかして助けたかった、もっと何かできたはずだと、その子のことを思い続けているから、何度も何度も、過去を振り返ってしまうのです。「もしも」が止まらないのは、それだけ、愛していた証なのです。
結果を知っている今の自分は、あの頃の自分とは違う
「もっと早く気づいていれば」と思うとき、私たちは、結果を知っている「今の自分」の目で、過去を見つめています。でも、あの時の自分は、これから何が起こるのかを、まだ知りませんでした。
ちょっと元気がないだけかもしれない、様子を見ても大丈夫かもしれない。そう思うのは、ごく自然なことです。先がわからないなかで、迷いながら、それでも一生懸命に選んだ。それが、あの時のあなたでした。結果を知っている今の目で、あの頃のあなたを裁くのは、少しだけ、不公平なのかもしれませんね。

あの時のあなたは、「その時の最善」を選んでいた
治療を選ぶとき、病院に連れて行くタイミングを決めるとき、そして、最期の時間をどう過ごすかを考えるとき。あなたはいつも、「この子にとって、いちばん良いことは何だろう」と、悩み、迷い、考えていたはずです。そのときに手にしていた情報、そのときに見えていた様子、そのときの自分にできる精一杯の力で、あなたは、その子のために選びました。
後から「別の道があったかもしれない」と思えるのは、すべてが終わったあとだからこそ見える景色です。あの時のあなたには、見えていなかったのです。どうか、「間違えた自分」ではなく、「迷いながらも、その子のために選んだ自分」を、思い出してあげてください。もし、「もしも」の気持ちが浮かんできたら、「あの時の私は、あの子のために、精一杯考えた」と、心のなかで、そっと自分に声をかけてあげてください。何度でも、繰り返し伝えてあげて大丈夫です。その言葉は、少しずつ、あなた自身の心を、やわらかくしてくれるはずです。
おわりに
「もしも」と自分を責める気持ちは、その子への深い愛情から生まれています。あの時のあなたは、わからないなかで、迷いながら、それでもその子のために、一生懸命に選んでいました。今すぐに、罪悪感をなくそうとしなくても大丈夫です。少しずつ、自分を許せる日が来るのを、ゆっくり待ってあげてください。
そして、もし、ひとりで抱えきれなくなったときは、誰かに話してみてくださいね。あなたは、ひとりではありません。
ハッピー相談室Az 大和 由起子
